新しい防災気象情報

　政府は11日、気象庁が発表する注意報や警報といった「防災気象情報」を再編するため、気象業務法などの改正案を閣議決定した。大規模河川の氾濫（はんらん）（洪水）、大雨、土砂災害、高潮発生のリスクが高まったときに出す特別警報や警報に、危険度に応じて1～5のレベルを付し、住民の避難判断に役立ててもらう。2026年の梅雨期からの運用開始をめざす。 　これまで防災気象情報には「特別警報」「警報」「注意報」などがあったが、今回の再編で特別警報と警報の間に「危険警報」を新設。洪水には特別警報を新設する。特別警報を「レベル5」とし、注意報の「レベル2」まで4段階で表記。警報級の現象が5日先までに予想されるときに発表する「早期注意情報」は「レベル1」とする。 　一方、自治体の発表する避難情報は、災害発生や切迫状況を示す警戒レベル5の緊急安全確保や、レベル4の避難指示などがある。今回の再編により、防災気象情報と避難情報のレベルの数字がそろう。導入後、たとえば豪雨時に避難指示の発表が遅れた場合でも、同じレベル4の危険警報が出ていれば住民の避難を促すことが期待できるという。 　現在の防災気象情報は、観測や予測の技術向上、甚大な災害の発生をきっかけに、次々に追加されてきた。ただ、名称に統一感がなく、わかりにくさなどが課題だった。